京都十六社めぐり 六孫王神社


京都十六社めぐり…
六孫王神社へ初めて参詣。

清和源氏発祥の宮と書かれた
看板が大きく掲げられています。
祀られている源経基が、
源氏の祖とされている
清和天皇の六男
源経基が天皇の孫にあたり、
六孫王とも呼ばれたとか。

南向きには石の鳥居が立ち、
その奥には六孫王会館

しっかりとした建物は、
合気道道場にも使われているとか…

石畳に献灯籠が立つ。

神龍池の前に鯉魚塚

絵馬にも鯉が描かれ「出世開運」

太鼓橋は「恋(鯉)の架け橋」
とも呼ばれているとか…
訪問した日は池の水が
抜かれていました(T_T)

橋を渡ると源経基が詠んだ
恋の歌が二首。
「あはれとも 君だに言はば
 恋ひわびて
 死なむ命も 惜しからなくに」

どうせかなわぬ恋に悶々として
生きているばかりのこんな命
なんて惜しくない…

「雲井なる 人をはるかに
 思ふには
 わが心さへ 空にこそなれ」

遠いところにいる人を
遥かに思っていると、
私の心さえも上の空に
なってしまう…

源氏の潮流の経基は、
恋心の多き人だったのだろうか。

社伝では、境内は源経基の
邸宅「八条亭」の跡地と伝わる。

社殿は元禄14年(1701)に
江戸幕府により再興されたもの。
あまり類のない切妻造で、
拝殿と造合で結ばれた複合社殿

感染対策でシートで
区切られた社務所…

境内はひっそりとしていました。

神龍池には、
経基の子 満仲誕生のおり、
産湯に使ったと伝わる井戸があり、
水弁財天社が祀られています。

水弁財天社に立ち入ると…

奉納の石碑に多くの人が刻まれ、
信仰を厚めていることが伝わります。

小泉八雲 著の『怪談』には、
「弁天の同情」と題する不思議な
夫婦の出会いの話があります。
少し長くなります…

京都の"大通寺"には、弁天堂があります。
花垣梅秀という青年学者兼詩人が
やってきます。
そこで一枚の色紙を拾います。
女文字の見事な手蹟でした。
「しるしあれと いわいぞそむる玉箒
 とる手ばかりの ちぎれなれども」
と書かれていました。
藤原俊成の歌でした。

梅秀は、その字を書いた
乙女に恋焦がれます。
七日、弁天堂に通います。
満願の七日目には、
終夜堂に閉じこもりました。
願いは通じました、
老人と稚児が現れたのです。
そして、老人と稚児は、
乙女を呼び寄せます。
乙女自身が梅秀の妻になるために
やって来たと話したのです。

ふたりは暮らし始めます。
初めてふたりが会ったのは秋でしたが、
いつしか冬の季節になっていました。
梅秀が京のはずれを歩いていると、
屋敷の中に招じ入れられます。
屋敷の主は、娘の嫁になるように懇願。
妻がいるとも言えず、
娘に会ってみると、
妻と瓜二つでした。

神社入口の碑
誕生水辨財天とはこのこと。
「弁天の同情」に戻ります…
弁天堂で出会った乙女は、
この娘の魂魄だったのです。
梅秀は娘と再度結婚したとか。

堂内の解説文を読んでいると、
激しい轟音が響いてきました。
社地の裏手は新幹線が通り過ぎます。
大通寺とはかつての六孫王神社の
神宮寺でしたが、神仏分離令で
1911年に東海道本線の鉄道用地に、
移転を余儀なくされたそうです。

京都駅にほど近いので、
スピードもそれほど出ていません、
スマホでも超特急とのツーショット
撮れるというスポットでもあります。

境内には桜の木が多く…
新幹線と桜の写真が撮れる
そんな穴場スポットとも。

京都駅からもほど近いので、
華やかな桜の季節に
ふたたび訪れたいと思います。

「六孫王神社」
京都市南区壬生通八条角

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