迎賓館赤坂離宮をたずねる③ 本館南面


本館の南側には主庭が広がり、
中央に大噴水があります。
創建当時からのもので、
国宝に指定されています。

建物の南面のベランダには、
イオニア式の大円柱が24本、
ルーブル宮殿の東面によく似ています。
イオニア式とは、
ギリシャ古典建築三様式の一つで、
アテナイのエレクティオン神殿
代表作とされるもの、
曲線状の渦巻形の柱頭が特徴。

南に面した主庭は全面砂利敷き

中央には花壇が設けられていて、
正面に対し南面は花壇が湾曲し、
大噴水を抱え込んでいます。

絵葉書より

ローマ建築のオーダーのひとつである
コンポジット式柱の中央部
切妻屋根の三角壁=ペディメント
支える意匠は正面とほぼ同じ。

左右の翼部の二階はイオニア式の
コロネード・ベランダ(列柱柱)。

一階壁面をルスティカ張り
エンボスメントとし、
二階をコロネード・ベランダとするのは、
1674年竣工のルーブル宮殿東面
それを模した1775年の
フランス海軍省の構成に酷似しています。
片山東熊がこれをモデルとしたとかと。



本館側面は前頭後隅の間や
球技室のアルコーブの屋根、
ドーム屋根がアクセントに。

花弁のな形状をした噴水池の中に、
高坏を伴った噴水が2段重ね…

伝説のグリフォンの像が4体、
足元の台座からはライオンの
口から水を吐き出しています。
鷲の上半身に下半身がライオン
翼を持つギリシャ神話由来。

グリフォンに挟まれるように亀が8体

4基の噴水の高坏には"シャチ"

水の中で飛び跳ねているよう…

花崗岩を使った縁石

村野藤吾は昭和の大改修のとき、
噴水を大きく立派に見せるため
盛り土などを行ったそうです。
しかし、
見た目を立派にしても噴水は噴水…
日本的ではないと考え、
噴水と本館の間に松を植え、
その樹間から噴水を見るようにすることで、
西洋とは異なる風景を生み出したそうです。

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