品川 南の天王社 荏原神社のこと


目黒川のほとり品川宿にほど近い、
郷社 荏原神社(えばらじんじゃ)。

古より貴船社・天王社・貴布禰大明神・
品川大明神と称していたそうですが、
1875年に荏原郡の名を冠した社号に、
旧荏原郡は品川、大田、目黒、
世田谷を指します。

目黒川に架かるのは朱色の橋。
鎮守橋と名付けられた橋、
古くは目黒川の南に鎮座していた
荏原神社は今は目黒川の北に、
遷座されたのではなく、
目黒川の付け替えによるもので、
川の位置が変わったのです。


古い鎮守橋の親柱は1928年のもの。

恵比寿神像は1993年に奉納、
恵比寿神もご祭神ということで、
東海七福神」のひとつとされます。

御祭神は高龗神、天照皇大神、
豊受姫之神、須佐男之尊、手力雄之尊、
大鳥大神、そして恵比寿神。

御祭神の一柱は高龗神(くらおかみのかみ)、
奈良の丹生川上神社よりの勧請、
709年(和銅2)の元明天皇の御代とか。
龍神ともされ拝殿の左右の屋根から、
見下ろすように佇む龍の姿がありました。
高龗神は神産みにおいて伊邪那岐が
迦具土を斬り殺した際に生まれた神。
龗は龍の古語とされています。

狛犬の台座には"北濱"とあり、
漁師町であったことを伺わせます。

透塀に囲まれた先に社殿
1844年(弘化元年)に社殿は、
関東大震災、大戦の戦火からも
免れていて実に貴重なものです。

鳳凰か



烏にフクロウ







孔雀







正面の龍

東京十社である北の天王さん品川神社
そもそも明治維新で制定された准勅祭社、
1976年になって昭和天皇即位50年を
奉祝して東京十社となったとか。
准勅祭社は十二社あったのですが、
東京都府中市の大國魂神社と
埼玉県久喜市の鷲宮神社は、
東京23区内ではないので十社に…

最近 天王洲アイルと呼ばれる一画など、
品川沖が天王州と呼ばれるのは、
荏原神社の天王祭が由来とされ、
牛頭天王の"御神面海中渡御"の所以で、
"天王州"と呼ばれるようになったそうです。

現在の社地は品川神社とくらべ、
少し小規模ではありますが、
能舞台もあり…
おそらく准勅祭社という対立がなければ、
濱と陸の天王社とそれぞれの役割を
担っていのやも知れません。


荏原神社(えばらじんじゃ)
御祭神:高龗神・天照皇大神・豊受姫之神・
   須佐男之尊・手力雄之尊・大鳥大神・
   恵比寿神
社格等:准勅祭社・郷社
所在地:東京都品川区北品川2-30-28 
最寄駅:京浜急行電鉄本線 新馬場駅

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