京都のトク旅 2016〜安養寺 (倒蓮華寺)


繁華街の新京極の近く、
普段は特別公開の看板がなく、
気を止める人は少ない。

女人往生 
 さかれんげ阿弥陀如来 とある。
安養寺倒蓮華寺(さかれんげじ)
とも呼ばれています。

本尊の阿弥陀如来立像は、
普段は窓越しだから、
お足元は見えないのです。

寺伝によると平安の末、
旅の老僧が宿を請いこの寺へ。
老僧は「仏を作る」と言い、
部屋に引きこもった。
夜中、仏像を彫る音が響くと、
朝には老僧の姿なく、
光明を放つ阿弥陀如来像が
出来上がっていたそうです。
“鶴の恩返し”のようにも…

安養尼はみたび仏師に
蓮華座を作らせたが、
仏像を置くたびに台座に
ひびが入ったそうです。
春日権現に祈ると、
ふたたび老僧が現れた。
「この仏は
 女人往生の証拠仏です。
 八葉の『さかれんげ』を
 台座にしなさい」と…

[截金真向 阿弥陀如来立像]
(きりかねまむかい)

「昔の習俗に基づいた信仰では、
往生の際、男性は心の中で
上を向いたハスの花を咲かせるが、
女性は下向きに咲かせると言われ、
女性は虐げられた存在だった。
反対に、阿弥陀の平等思想は
男女の差別なく
往生できることを教える。
さかれんげと阿弥陀如来を
象徴的に見せることで、
分け隔てなく救われることを
分かりやすく伝えたのだろう」
とは、北川隆法住職のことば。

[恵心僧都坐像]



「安養寺」
京都府京都市中京区東側町

※このブログは桝郷春美さんの
女人守護・往生の象徴「さかれんげ」に注目
 を参考にしました。 

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