大阪の近代化遺産をあるく〜住友玉突場
大阪の島之内に残る、
住友家のビリヤード場。
数ある住友家本邸のうち、
第二次大戦の戦災で失われるまで
迎賓館として使われたこの地は、
「鰻谷本邸」と言われたそうです。
邸宅は残っていませんが、
その東側の一角に残るビリヤード場。
日本で初めてのビリヤード場なのです。
ギリシャ風の三角ペディメント、
その上は鬼瓦の切妻屋根なのです。
木枠の洋風上げ下げ窓
通り側の面に丸窓を配された
明治初期の擬洋風の土蔵造り。
洋風と和風とが混在しています。
1892(明治25)年以前の建築だとか。
もとは、日本最大の銅精錬所である
「住友長堀銅吹所」があったところで、
1876(明治9)年に銅吹所が廃止され、
その跡地が住友家の邸宅になりました。
大坂屋や平野屋など有力な業者を
秀でていたのが「泉屋」。
泉屋を営む住友家は愛媛県にある
別子銅山から産出の銅の精錬で
巨万の富を築きました、
のちの住友財閥の基盤は
ここから始まったのです。
近くの三井住友銀行のビルには、
銅吹所の錦絵のパネル展示が
ありました。