大阪の近代化遺産をあるく〜京町ビル
西船場北エリアではひときわ
大きな近代建築「京町ビル」は、
大大阪の記憶を刻むテナントビル。
4階部分の3連アーチ窓
1階部分はグレーの石貼り。
2階から上は褐色のタイル。
窓周りの縦ラインの
コンクリートが印象的。
セセッション風というやつ。
窓の間にはテラコッタの
レリーフがアクセントを添える。
北の角にいくと、
四ツ橋筋側を長辺とした
台形ビルやと分かります。
施主が敷地いっぱいに
建てたことの証なのです。
北面には木製の両開き扉。
ほとんど昔のまま、
手がつけられていないそうです。
「建築家は様式としての
完全性を求めながら、一方で
オフィスビルの事業性にも
応えなければならない。」
葛藤のうえの産物なのでしょう。
建築当初は4階に
「清和倶楽部」という社交場、
5階には「京ビル食堂」が
あったそうです。
ちょっと大江ビルやダイビルに
共通するところがありますね。
ただ5階の上にはさらに・・・
増築が見えます。
これもテナントビルとして、
収益性を求めた結果なのかも。
「京町ビル」
京町堀ビルディング→
建築年:1926年(大正15)
設計 :岡部顕則(岡部建築事務所)
所在地:大阪市西区京町掘1-7-1