江戸のデリバリー④ うなぎ


《東海道五十三図会 荒井
  名ぶつ蒲焼》 歌川広重


すっかり高嶺の花となった
ウナギですが、
江戸期は庶民の食べ物でした。
天秤棒に担がれて、
振売りは蒲焼きが
冷めないように「ぬかの粉
がまぶされていたそうです。
家で糠をはたいて
食すのを嫌った客
が、
温かいご飯に鰻をのせるよう
頼んだことが「うな丼」とか。

『北斎漫画』《うなぎのぼり》

『万葉集』大伴家持の歌
「石麻呂(いそまろ)に
 われ物申す夏やせに
 よしといふものぞ
 うなぎ取り召せ」。
奈良時代から夏ヤセに鰻が
よいことが知られていました

《春の虹蜺》歌川国芳

串を両手に握り、
まさに鰻を口元へ…
今まさにの瞬間…
虹蜺とは虹のこと
弧を描くRainbowは、
イマからなのでしょうね。
今どきに言うと「エモい」
使い方合ってますか??

《見立五行 火 かがり火》一部
 歌川国芳

CanCanのサイトによると…
「感情的な様や情緒的な様を
 意味する「emotional」の略…
 メディアアーティストの
 落合陽一氏は、
 「ロジカルの究極にあるもの」、
 古文において「とても趣がある」
 と訳される「いとをかし」
 と類似するものとも。」

《江戸前かばやき鯰大火場焼》
 1852年

安政の大地震の「鯰絵」…
恵比寿さまに捌かれるのは
ナマズなんだけれども、
ドジョウ
振る舞われている風景。
「大火場焼」
「うなんぎ(難儀)家破焼」

震災復旧に賑わいをみせた
建設好景気を風刺とも…

「新版御府内流行名物案内双六」より


最後は虎次郎 贔屓

1939年の創業 京の老舗
衹をん松乃」さんの鰻。

南座の東四軒目という
立地も在り…
楽屋見舞いにも御用達。

祖母が愛した店
50を過ぎ自分の財布から
お会計をするたびに…
ただただ感謝!!
なんちゃってグルメなのは、
祖母のお蔭です。

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