江戸のデリバリー⑦ 植木売り


《風俗東之錦 植木売》
 鳥居清長


食べ物ではないが
江戸のデリバリー…
今回は「植木売り」

清長独特の
柳腰の八頭身美人
鉢植えを見下ろす姿。
福寿草、梅、松の鉢植え。

《横ぐしおとみ》
 三代 歌川国貞
1860年

「八幡祭小望月賑」という
歌舞伎の取材もの。

植物を鉢植えに仕立てて、
少量ずつ運んで街角で売り、
それを買って家に飾る。
園芸文化が華開いたのが
まさに江戸時代でした。

窓辺に置かれた染付鉢には、
「万年青」と書く おもと。

江戸時代後期ごろから
流行したと言われ、
いまでも引越祝いなどに
贈られることがあります。
ルーツは家康が江戸に
移った1590年といわれ、
3種の万年青が贈られたとか…
その後の繁栄に
あやかっているそうです。

《新板植木つくし》
 歌川芳虎
1857年

19世紀中ごろになると…
植木鉢の模様もさまざまに。
白地に青い染付、
丸型・角型と
バリエーションも豊かに。

《新板手遊瀬戸物箱庭尽》
 歌川貞房
1830-44年

こんな見立ての箱庭も
大いに興じられたようです。

《江戸の花流行花壇》
 無款

街やお寺の境内などで、
いわゆる植木市が開かれ、
浅草の雷門わきには、
植木屋が営まれるまでに。

諸商人五枚続 三朝植木

 おほうの六三》
 三代 歌川豊国 1847-52年

歌舞伎「初春の御寿曽我
による三枚続きのうち右幅。
台輪と呼ばれる竹を曲げて
作られた運搬具には、
寒牡丹や梅とともに福寿草。

《音曲町繁花の商人》
 歌川広重
 1853年

たばこと塩の博物館」が
所蔵する団扇絵。
桜の木の盆栽が見えます。
絵はすべて踊りのパロディー、
桜の植木売り関守関兵衛
客は傾城墨染だが、
実は小町桜の精との見立て。
釣りしのぶを売るのは
「双面」の松若とか。

《娘日時計・辰ノ刻 》
 喜多川歌麿 


「辰の刻」はほぼ午前8時
ただ江戸期は季節によって、
時間の長さが変わっていて、
日の出の早い夏は、
今よりも少し早い時刻。
顔を洗う手拭を肩に掛けた
娘が朝顔の小鉢を手に持つ。

《染ゆかた 夏のいろどり》
 歌川芳幾
1862年

灯の灯が揺れるロウソクに
撫子(なでしこ)を掲げる
植木売りの姿。
五代目坂東彦三郎
夜の植木売りとして、
姿をあらわした役者絵。

《風俗吾妻錦絵 百種接分菊》
 国芳

一本の菊に百種類の菊を
挿し木して咲かせていて、
見物人が釘付けです。
はままつフラワーパークをはじめ、
今でも各地でその技を
見ることができるそうです。

《菊の細工物 市川団十郎
  瀬川菊之丞 暫》
 歌川豊国
 1818年

菊の品種改良は、
人形仕立ての菊細工に発展。
いわゆる菊人形
文政元年 玉川座の「暫」、
両国広小路で菊人形として
興行されました。
「二つの人形大じかけ、
 まわり道具 早かわり」
とあり、
歌舞伎役者の早変わりごとく、
人形の入れ替わりの
趣向もあったとか…

《流行菊花揃》
 歌川芳虎


こちら象の菊人形。

《夏の夕くれ》
 歌川国芳


今年の花見は盆栽で
おうち花見」も
ちょっとしたブームですね。

こちら「歌う園芸作家」?
手がけられたエモい寄植え
実は中高大と同じ学校で
学んだ同名のツレが手掛ける
Del Mundo(デル・ムンド)さんの
逸品なのです。

こんな感じも…
寄植えのイベントなんかも
手掛けてはります。
でも…ラストにはマイク🎤
持って一曲添えるとか😁
京野菜の郷の
久御山町にあって、
全国発送OKです。

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