江戸のデリバリー⑬ 水商売
《俳優見立夏商人 水売り》
歌川国貞
江戸って家康が開府したころ、
ほとんど低湿地と谷の連続。
《今様職人尽歌合》井戸掘
1825年
深川あたりになると、
井戸を掘っても塩水だった
可能性が高かったと思われます。
《美人之水売》 歌川豊国
水売から買う美人が正しいかも…
江戸にも人工が増えてくると、
玉川上水や神田上水が引かれ、
町に水道ができたようです。
「水銀」という水道料金を、
納めていた街がありました。
"すいぎん"ではなく"みずぎん"。
『世渡風俗図会』より水賣
でもでも…水道が使える
"すいぎん"ではなく"みずぎん"。
『世渡風俗図会』より水賣
でもでも…水道が使える
人ばかりではありませんでした。
水売りが運んでくる
水を買う人たちは、
もう少しお高くついたかと…
上水が行き渡らない場所へは、
水売りが幕府の許可を得て、
2つの橋の所で水船で受け、
日本橋川を下るなどして、
隅田川の対岸まで
運んだのだそうです。
《時代かゞみ 弘化之頃》より部分
楊洲周延
1荷が46kgもあったそうで、
かなりきつい肉体労働。
雨の日も雪の日も、
夏の暑い盛りにも
一日も休まずに配達。
水売りが商いを休まない、
そのモチベーションは
何にあったのでしょうか。
《時代かゞみ 弘化之頃》
「時代かゞみ」というのは
シリーズもので美人の姿が
当時の髪型と装いで、
500年間の美人尽くし。
当時流行の職のひとつに、
「水売り」の姿を
登場させているのです。
《姿八景 市川団十郎 水売の夕照》
歌川豊国
水を売るだけではなく、
町の健康管理の担い手とも…
水桶の蓋が開いていたり
中の水が濁っていたら、
水を捨てて新しく
運んできた水を入れる、
「この町は自分が守っている」
という気概が支えていました。
《當盛六花撰 紫陽花》
歌川国貞
美男役者が持つ器には、
"ところてん"でしょうか。
小豆と白玉も浮かぶよう…
蜜豆の登場は時代的には、
ちょっと先のこと。
心太(こころぶと)の名で
奈良時代から食用に…、
室町後期からは街頭売りも。
『守貞謾稿』には、
江戸では砂糖か醤油、
京坂は砂糖で醤油は使わない。
今は蜜か酢かですね、
京都生まれなので断然ミツ派です!!
1746年に著された
『黒白精味集』には、
水菓子にする時は
赤・白・黄色などに着色、
砂糖や きな粉で食べるとあり…
錦絵のは食紅の色付けかも。
《名所江戸百景 王子不動之滝》
安藤広重
「打線は水物」って
虎ファンの常套句…
いまでこそ水商売=夜の仕事、
水商売も水物商売。
商売なんてもんは、
何があるかわからへん…
新型コロナウィルスに
みんなで打ち勝って、
夏になれば涼を求めて
「滝浴み」でもしたいものです。
※このブログはミツカン文化センター
『水の文化』23号 作家 山本 一力さんの
「水商売の理(ことわり)」を参考にしました。
水を買う人たちは、
もう少しお高くついたかと…
上水が行き渡らない場所へは、
水売りが幕府の許可を得て、
2つの橋の所で水船で受け、
日本橋川を下るなどして、
隅田川の対岸まで
運んだのだそうです。
《時代かゞみ 弘化之頃》より部分
楊洲周延
1荷が46kgもあったそうで、
かなりきつい肉体労働。
雨の日も雪の日も、
夏の暑い盛りにも
一日も休まずに配達。
水売りが商いを休まない、
そのモチベーションは
何にあったのでしょうか。
《時代かゞみ 弘化之頃》
「時代かゞみ」というのは
シリーズもので美人の姿が
当時の髪型と装いで、
500年間の美人尽くし。
当時流行の職のひとつに、
「水売り」の姿を
登場させているのです。
《姿八景 市川団十郎 水売の夕照》
歌川豊国
水を売るだけではなく、
町の健康管理の担い手とも…
水桶の蓋が開いていたり
中の水が濁っていたら、
水を捨てて新しく
運んできた水を入れる、
「この町は自分が守っている」
という気概が支えていました。
《當盛六花撰 紫陽花》
歌川国貞
美男役者が持つ器には、
"ところてん"でしょうか。
小豆と白玉も浮かぶよう…
蜜豆の登場は時代的には、
ちょっと先のこと。
心太(こころぶと)の名で
奈良時代から食用に…、
室町後期からは街頭売りも。
『守貞謾稿』には、
江戸では砂糖か醤油、
京坂は砂糖で醤油は使わない。
今は蜜か酢かですね、
京都生まれなので断然ミツ派です!!
1746年に著された
『黒白精味集』には、
水菓子にする時は
赤・白・黄色などに着色、
砂糖や きな粉で食べるとあり…
錦絵のは食紅の色付けかも。
《名所江戸百景 王子不動之滝》
安藤広重
「打線は水物」って
虎ファンの常套句…
いまでこそ水商売=夜の仕事、
水商売も水物商売。
商売なんてもんは、
何があるかわからへん…
新型コロナウィルスに
みんなで打ち勝って、
夏になれば涼を求めて
「滝浴み」でもしたいものです。
※このブログはミツカン文化センター
『水の文化』23号 作家 山本 一力さんの
「水商売の理(ことわり)」を参考にしました。