祇園さんご朱印めぐり 前祭その参


函谷鉾(かんこぼこ)

」の字のデザイン印影。
提灯にも粋な影を映す。

中国の戦国時代、斉の
孟嘗君
(もうしょうくん)
秦に迎えられて
宰相となったが、
讒言にあって命が危うく…

逃れて「函谷関」へ、
朝になって鶏の声が
しないと開かないという関。
鶏の鳴き真似で抜けたという
故事に由来する鉾。



この鉾には幼少のころ、
よく昇らせていただきました。

叔母が函谷鉾町の人と、
親交があったようです。

祇園祭の山鉾で、
一番好きな鉾です。

長刀鉾は男子しか
上れませんが、
かなり前から函谷鉾は、
男女問わずでした。





函谷鉾(かんこぼこ)
 四条烏丸西入 函谷鉾町
 御利益:疫病除け ※くじ取らず




放下鉾(ほうかぼこ)

鉾頭が州浜形に
似ていることから
州浜鉾」として
親しまれています。
ご朱印もその「すはま」、
そして芸能成就



謡曲『放下僧』に
因むとされていますが、
天王座に放下僧の人形が
祀られるほかは、
謡曲の要素が見られません、





「放下僧」とは手品や曲芸を
みせる下級の僧のこと。
稚児人形「三光丸」が
稚児舞を披露します。





放下鉾(ほうかほこ)
 新町通四条上ル 小結棚町 
 御利益:疫病除け ※くじ取らず




木賊山(とくさやま)

木賊山の姿を描いたものに
「木賊山」「木賊山璽」。

世阿弥の謡曲「木賊」を
出辞とする山。
御神体はシテ老翁なのです。

トクサとは土筆の仲間で、
日本の山間部に自生する
常緑性のシダ植物のこと。

木賊は「砥草」とも書き、
研磨材として珍重されてきた
日本人には大切な材のひとつ。

木賊山の設えには、
木賊にウサギの飾金具や、
真松に吊り下げられる
満月を模した月形など…

「木賊刈る 園原山の 
 木の間より 磨かれ出づる
 秋の夜の月」

源仲正の歌には、
秋に刈り取られる
研磨材である木賊、
磨き出されたような
美しい月が連想…
月にゆかりのある
ウサギと繋がります。

父と別れた子の松若が、
僧に伴われて故郷・信濃国へ、
園原で木賊を刈る老翁と会う。
老翁が松若の父…
これに因み授与されるのが、
迷子除け」の御守り。

木賊山(とくさやま)
 仏光寺通西洞院西入 木賊山町
 御利益:迷子除け



太子山(たいしやま)

ご朱印は杉の木と「聖徳太子」。

四天王寺を建立の折、
聖徳太子自ら良材を求めて
山中に入ったとか。

泉で沐浴をした後、
多良の木に懸けておいた
念持仏の如意輪観音
取ろうとしたが、
木から離れなかったそうな。



如意輪観音のお告げがあり、
一宇を建立して祀ることに。
老翁に教えられて得た
杉の巨木で建てたのが
六角堂(頂法寺)であるという。



この山のみ、
真木に松ではなく
杉を用いる
理由はここにあるのです。





太子山(たいしやま)
 油小路通仏光寺下ル 太子山町
 御利益:智慧・疫病除け




郭巨山(かっきょやま)

ご朱印は故事に因む鍬と釜
八坂神社の神紋と「郭巨山」。
そして…
令和元年
祇園祭創始 1150年とあり。

別名「釜掘り山」。
老いた母を養うため、
山に入った郭巨
黄金の詰まった釜を
掘り当てて、
母に孝行を尽くした
という故事に由来します。



その黄金の釜、
「天、孝子郭巨に賜う」
と銘があったそうです。

郭巨山(かっきょやま)
 四条通新町西入 郭巨山町
 御利益:母乳の出を守る・金運招福

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