地獄と極楽ってなに?~奈良博三昧


十王図のうち
左《平等王図》右《泰山王図

十王は冥界で死者の生前の行いの
裁判をする十名の王でして、
人間の転生先を決定します。
裁判の結果 地獄へ堕とされる事態を
免れるには、遺族あるいは
本人が供養や作善を行うと
裁量されると信じられてきました。
6月に訪れた立石寺の仁王門
十王が祀られていました。

こちらの《十王図》には、
最後の裁判を行う
五道転輪王の場面では、
地獄から解き放たれる死者。

国宝《地獄草紙》も
奈良博が所蔵しています。

こちらは大きなニワトリがいる地獄。

身ぐるみ剥がされている人もいる(T_T)

不動明王のご利益を描いた
泣不動縁起》。

三井寺の成住院に安置されて
世に「泣不動」として名高かった
画像の由来を説いています。

研究によると…
泣不動説話の最初の形は、
実は安倍晴明の験力を語る
説話であったとされています。
説話の中で晴明は、
まず弟子の依頼により
智興の病気の行く末を占います。

宿業の病であるから治らない
という結果が出、
悲嘆に暮れる弟子達に対し、
晴明は
「誰か身代わりとなるものがあれば、
 生命の挿げ替えをしてやろう」

 と言います。
これに名乗りを上げたのが、
のちに不動尊に助けられる証空でした。

ではどのようにすれば、
極楽に導かれるのか…
亡くなった人のために
お経を写しそれを納める。

絵因果経》重文
 奈良時代 8世紀

奈良時代は唐から伝わった
原本を写して描かれたのです。

蓮唐草蒔絵経箱》国宝
 平安時代 12世紀

しだいに経を納める箱も、
金粉を蒔き、蓮や蝶の文様。
中には美しい装飾経

大般若経厨子 附大般若経》重文
 平安時代 12世紀

大般若経は全600巻で、
二基にわけて収めたもの一つ。
釈迦と阿弥陀の種子
扉には大般若経の守護神の
十六善神が描かれています。

阿弥陀浄土曼荼羅》重文

飛天にも導かれるのだろうか…

でも…
地獄の罪人たちにも
手を差しのべてくれるとか。

地蔵菩薩立像
 鎌倉時代 13世紀
 広島・耕三寺博物館 旧蔵

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