日本人の嗜好をさぐる㉗ 夕立のあとに


《名所江戸百景 
  大はしあたけの夕立》
 歌川広重


昨日の夕立も凄かったですね。
京阪電車も落雷でストップ、
でも最近は「ゲリラ豪雨」とか、
ちょっとビビらされているようで、
ウェザーニューズ社によると…
夕方に降るか、
時刻に関わらず降るか。

《江戸名所道戯尽 両国の夕立》
 歌川広重


夕立もゲリラ豪雨も、
メカニズムは同じ。
地上の空気と上空の寒気の
温度差によって、
大気の状態が不安定に…
ヒートアイランド現象
地球温暖化??
雷さんも想像できない…
江戸の浮世絵が現実に
なってきていますね。

《京都名所之内 糺川原之夕立》
 歌川広重
 1834年頃

にわか雨を「驟雨」と呼びます、
(しゅう)とは、にとか
突然とか言う意味でして…
辺りを真っ白に見せるので
白雨(はくう)」とも。
前が見えないという状態。
車の運転は控えたいですが…
路肩に駐めると渋滞を
引き起こしたり、
くれぐれも注意しなければ
なりませんね。

《夕立》
 鈴木春信
1765年

強い日差しで発生した雲が空に
立つ」ような積乱雲に発達し、
上空を通過して…
そして落ちてくる。
語源には諸説ありますが、
夕立はすでに雲が立つところで、
始まっているということですね。


《するがだひ東都名所》
 歌川国芳 
1840年ごろ

夕立には雷もつきもの。
二つが合わさると
神立(かんだち)」。
神が現れて力を示したあと…
神の仕業で締めくくられる
それが「虹」なのだと思います。
七色の虹という受け止めは、
江戸時代のはじめごろまで、
なかったそうで…
《名所江戸百景 高輪うしまち》
 歌川広重 

高輪のちなみんだ
"輪" の組み合わせ
虹、帆船の帆、
牛車の車輪…
そしてスイカ

《忠孝名誉奇人伝 中将姫》
 歌川国芳


こちらには少し色が入る…
七色と書物にも
現れるようになったのは
西洋科学を取り入れた
江戸末期なんだそうです。
《六十余州名所図会 
  対馬 海岸夕晴 》

 歌川広重

こちらはシリーズの締めに
相応しい虹がかかる。
遠くに快晴の対馬を臨む。

《安芸宮島 聖地史跡名勝23》
 徳力富吉郎
 

明治・大正・昭和・平成の
4つの時代を描いた
版画家の徳力富吉郎
西本願寺絵所を預かる
家系の12代目で、
宮島はよく描いた場所。

《青森県蟹田》部分
 川瀬巴水 1933年

大正新版画の創始者の
川瀬巴水が描いた虹。

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