1970EXPOユニコレ㉕ カナダとEXPO70


EXPO70のパビリオンで来場No.1は、
ソ連館の280万人だったのですが、
アメリカ館の165万人を抑えて…
なんと2位は カナダ館で250万人余

ラインナップをみると
なかなか面白い。
エルサルバドルって?

1960年代のカナダは、
事実上の建国の1867年の
連邦結成から100年を迎えて
ナショナリズムが高揚
していた時期。

1965年にメープルリーフの国旗を制定、
1967年にはモントリオール万国博覧会
成功させていました。
パビリオンの建設工事着工も早く、
外壁を一面の鏡で覆うという
デザインは工事中からも
注目を集めていました。

鏡の殿堂とも呼ばれたとか…

モントリオール博開催国である
カナダから日本が学ぶところは多く、
EXPO70へカナダが与えた
影響はとても大きかったようです。

カナダの日本万国博への参加表明は、
モントリオール博前年の1966年
両国の経済関係が急速に深化し、
カナダの日本への重要性は増大。
新たな国家像を模索するカナダにとって、
アジア太平洋地域への進出へ、
日本万国博に力が注がれた
のです。

プレゼンス増大というカナダの意図は、
案内態勢に端的に表れていたそうです。
ホスト、ホステスはカナダ人27名、
日本人16名の計43名
が配置された。
カナダ人スタッフは英語、フランス語、
日本語などなどを話すマルチリンガル

日本人スタッフはカナダ現地での研修、
体験にもとづいてカナダを説明
できるように訓練されていたとか。

国家としての 参加に加え、
オンタリオ州、ケベック州、
ブリティッシュ・コロンビア州

独自に出展していた。
オンタリオ州館には、
日英両字の大きな館名表示板と
州花 トリリアムの大きな図案。

ホステスと一緒に写るのは州警察官
2人のサージャントを含む
16人の州警察官が来ていたこと。
金色にフチどられ、
ズボンに赤い線の入った
ネービー・ブルーの制服は、
観客の人気を集めていたそうです。

こちらは合服かと…
白いコートにハットが映える。



レジャー用のキャンプ・トレーラーや、
スノークルーザー、カヌー、
インディアンの手工芸品、
はく製のクマ、鉱物などなど。

展示物に乗ったり、手で触れたり
することができたそうです。
2 組のプリズムを、4 本の円筒で
串刺しにしたようなパビリオン、
ケベック州の伝統的な切妻様式と
特産のカナダ杉の雄大さを表現

カナダ・ケベック州館
1967年のモントリオール博
モントリオール市、ケベック州の
豊富な資源が紹介されました。

ケベック州のホステスユニは、
パープルのショートワンピ。

ホストはブラックのユニ、
"フルール・ド・リゼ"と呼ばれる
白十字にユリの紋章が配される。
元来は聖母マリアの象徴である
"マドンナ・リリー"から
とられたものでしたが、
特に北米では"ワイルド・アイリス"
であるとも説明されています。

樹齢 270 年カナダ特産のモミの原木、
最高 50メートル余のを並べた
モミの木の彫刻”と呼ばれた、
ブリティッシュ・コロンビア州館

ダクラスファーという樹種で、
日本では一般に 米松 と呼ばれます。
日本住宅の梁や桁に利用され、
昭和から平成にかけて
日本の住宅では大量に使われる木。
開催当初は丸太の上に登ることができ、
高所に登りつめた人もいたとか、
会期中に五段目くらいで
ロープで制限されたそうです。

トーテムポールがデザインされた
円柱が観客を迎えました。

地上の庭園には、
トナカイ3頭の剝製があったとか。

1968年に就任しカナダの首相トルドー
人気がカナダ中を席巻した現象は
"トルドーマニア"と呼ばれた。
独身で奔放私生活で知られるトルドーを、
他国メディアも好奇の目で追いかけた。
「さっそうと来日」と報じられたが、
日加首脳会談後に保利茂官房長官が
これを「伊達男と団十郎の名優対決」と…、
トルドーが佐藤首相
老練さに譲ることなく、
個性を遺憾なく発揮したと伝わります。

日加経済関係の深化とも相まり、
日本への関心が高まったカナダ、
カナダ・アルバータ州の
州都エドモントンにある
アルバータ大学では、
万国博に出かける旅行者への
オリエンテーション講座が
開講していたとか…

ブリティッシュ・コロンビア州館の
もみの木のその後…
大阪大正区にあった杭丸太専門業者
中川木材産業に打診があったとか…
喫茶店のカウンターにしている
お店がかつては十三の喫茶店、
もみの木」で建材だったとか。

※このブログは鈴木健司さん執筆の
「1970年日本万国博覧会のカナダ
 ―新たな国家アイデンティティーの追求―」
 を参考にしました。


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