サッポロ歩記1 北海道道庁旧本庁舎


北海道道庁旧本庁舎こと
"赤れんが庁舎"は、現在改修中…
そのシンボルの八角塔屋根は、
いったん降ろされていて、
2003年5月から一般公開に。

日曜日にエスコンFでデーゲーム観戦
翌月曜日は美術館、博物館閉館が
多いのですが、こちらは開館中。
庁舎は土日祝閉室が多いのですが、
こちらは休みの日も無料で
観ることができるのです。

こちら現役の道庁舎です。
土日祝は閉室で仮設見学施設には、
トイレがありません
ので…

庁舎を雨風から保護するため
建物全体を覆う"素屋根"には、
旧庁舎の巨大シート。

仮設見学施設は3階建てで、
ちょうどその真ん中に北海道旗
そのポールが突き出しています。



屋根木トラスはエゾマツ

煉瓦は"白石村産"、
幌内鉄道白石沿線の粘土を
利用した鈴木煉化場のもの。
開拓使の官営工場は、
茂辺地村に始まったとか…
使われたのは250万個を超えます。

赤れんが庁舎は1886年(明治19)に
着工されますが当初は八角塔は無く、
岩村北海道長官の指示で、
急遽設置した
とされています。
完成は1888年(明治21)、
「其の高きことインカラ山と
 比肩すべく思いはる故、
 景色も恋佳絶なり」

新聞紙上で称賛されました。
インカラ山は藻岩山のこと。

ただ初代の八角塔は短命、
原因は木造小屋組み上、
構造的な不備で風で揺れ動き
1895年(明治28)ごろには撤去。

1909年(明治42)には火災に…
11時間あまりにわたり延焼
外壁のみを残して全焼、
八角塔設置の代わりの防火戸を
中止したことがその理由、
関係者談として残ります。
シンボリックな八角塔は、
およそ70年なかった
ということ。

今回の改修工事で発見された
れんがで覆われた壁。
八角塔に通じる部屋への階段を撤去、
色が異なるれんがの壁で塞いだもの。

1911年(明治44)に火災復旧工事、
従来の形態にこだわるなくことなく、
新たな設計によって新装されます。
南北脇玄関の撤去、
屋根の復旧に伴い棟飾りや避雷針、
造作のすべてが変更され、
八角塔の復旧もされませんでした

2階の壁の黒ずんだ煉瓦
火災の痕跡と見られています。
ただ…
仮設見学が少し遅れたそうです。

復原改修の実施は1968年(昭和43)のこと、
現本庁舎の新築に伴い
「赤れんが庁舎」として復原。
・外観は創建時にできる限り近いもの
・内部は火災復旧時の形態保存を


シンボル八角塔には、
構造補強保存修理を。
八角塔の屋根内に制振装置を設置、
銅板屋根の葺き替えを実施。
改修後は十数年の時間をかけて
緑青色に変化
していくとか…





八角塔以外の屋根は瓦でなく
天然スレートが用いられています。
宮城県石巻市雄勝産
粘板岩という天然石で、
日本で最も早い作例の一つで、
後の建築の東京駅にも雄勝産。

腰回りの煉瓦は色が違っていて、
黒紫色で登り窯でハンノキ
焼成された"焼過レンガ"、
ただ昭和の改修では、
色の再現が難しく、
塩焼成煉瓦を用いたとか、
今回の改修ではどうなるか?
ちょっと注目ではあります。

実は正面からみた赤れんが庁舎は、
左右非対称形になっているとか。
その訳は八角塔による階段の存在。
復活したら改めて訪れたいと(・ω・)v
島口喗生 画 
浪漫地詩図夢シリーズ「札幌」より

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