あずまくだりんvol.4 はじめての国立科学博物館


国立科学博物館
いつも時間オーバーか、
東博の広さに疲れてしまい。
幾度となく訪れた"上野”のうち、
なぜか寄れなかった場所。

D51とか…

クジラとかの前を通りすぎずに…

「日本の哺乳類学の軌跡」をお目当てに、
展示を観てきました!!

シーボルト来日の200周年にあたり、
標本の集積と啓蒙普及の
中心的役割を担ってきたのが、
国立科学博物館こと"科博"です。
哺乳類学とともに発展してきたのが、
標本の製作技術の進歩でもあります。

お目当てはこのキリンの剥製
普段は科博の筑波研究施設
保管されているもので、
標本登録番号はNSMT-M567。
"帝室博物館天産コレクション"、
通し番号が3桁であることがその証。


帝室博物館時代のキリン展示は、
こんな感じだったそうです。
1923年9月1日の関東大震災で、
科博前身の東京博物館、
帝室博物館から移管されたもの


首を下げた姿勢で,
水を飲む姿勢の 雄 ファンジ。
写真に残る雌 グレーは、
キリンらしい姿勢の高木の葉を
食べようとするスタイルです。
国立科学博物館動物研究部の
川田伸一郎さんによると、
雄 は背が高いため展示室の
 天井高との兼ね合いから
 頭を下げた姿勢にしたのでは…
」※1

体の腹部正中線に沿って皮膚を切り開き,
剥皮して皮膚の内面に毛止め剤を塗った後,
平板上に広げてピン止めして乾燥する.
"フラットスキン”という手法は、
博物館展示で最も一般的な哺乳類標本。

"鞣し皮"
生の動物の皮は時間が経つと腐る…
腐食を防ぐための処理が"鞣し(なめし)"。

本剥製は本格的な標本ですが、
収蔵スペースを取ってしまうので、
保存コストがかかってしまいます。

採集データや計測値を残して、
学術的価値を維持したフラットスキン、
多くの研究現場で活用される手法です。

科博の世界三大珍獣と、
選んだ高島春雄さんのパネル・
彼は実はサソリなどの研究者とか。
ジャイアントパンダはよく知られますが、

"オカピ"は1901年に発見された動物、
アフリカ大陸中央部やザイールの
ジャングルでくらしているとか。
小型のウマぐらいの大きさ、
前足と後半身には美しい縞模様。

小さいだけではない"コビトカバ"、
カバの原始の姿を残しています。
カバと違い、出産も哺乳も陸上。
それゆえなのか、
耳も目も横についているのです。

もうひとつのお目当て…
"フタバスズキリュウ
1968年、福島の高校生が発見…
少年の熱に動かされた
大人たちが手伝い、
全身の7割もの骨を発掘!
しかし学術研究は進まず…。

『のび太の恐竜』をキッカケに、
夢中になった少女は研究者に!

実は虎次郎は地歴部とともに、
高校は地学部にも籍を置いていました。
こちら"デスモスチルス"
ラテン語で「束ねた柱」の意、
臼歯の咬頭が柱のように円柱状、
束ねられて一本の臼歯、
何をどうやって食べていたのか?
長らく謎に包まれていた奇獣。


地学研究室の顧問が大事にしていた
模型があったのですが…
こともあろうに文化祭展示解体で、
興奮した部員がぶつかり粉砕(T_T)

その側でもう一つ悲劇が、
アンモナイトの化石もろとも粉々に。
科博の展示を目にして、
あの悲劇が蘇りました。
センセ…ゴメンナサイ。
僕が首謀者ではありませんけど(._.)


天体望遠鏡とか

顕微鏡とか

時を知る…博物学のアプローチに
関する展示も充実していました。

う〜〜〜んちょっと欲張りすぎた。

建物としての魅力も満載なのですが、

次回は建築ネタを中心に、
見て回りたいと思います。



シロナガスクジラは三代目…
実は先代は少し小さいザトウクジラ、
初代はナガスクジラで、
昭和30年代に置かれたもの。

ライトアップされると、
また違う顔を魅せてくれるとか。
次回はもう少しジックリと!

※1 「明治時代のキリンの標本について」
   2023年 川田 伸一郎ほか
          国立科学博物館研究報告

このブログの人気の投稿

ペットマーク考証② ボールな人

ペットマーク考証① バットを持つ人

異界との出入り口《春日権現験記絵》