はるばる来たぜHAKODATE vol.10 函館市臨海研究所


弥生坂の坂下にあった凝ったデザイン、
向かい角からみると宝形屋根の塔屋
"函館水上警察署"だったからなのかも?

江戸時代に松前藩が、
船舶・貨物への徴税を行うために
"沖之口番所"を設けたことが始まり。

明治はじめに"函館郵便所"が置かれ、
道内初の郵便局となるなど、
函館の歴史を語るキーとなる場所。

基坂沿いの元町公園に立つ
"ペリー提督来航記念碑"…
ペリー上陸も"沖之口番所"あたり、
ペリーはここに特設市場を開かせ、
衣類や塗物、陶磁器類を求めたらしい。

旧建物は1926年(大正15)10月の竣工で、
58年間に渡り現役の警察庁舎でしたが、
当時の函館西警察署が海岸町に移転、
その後20年以上も空き家状態…

大正時代ならではの
セセッション・スタイルのモダン。
当時の地元紙には
「まづ東北以北にこの位
 スマートな警察署はない」

「巴港一の偉観である」と紹介。
竣工時の外壁色のベージュに、
"函館市臨海研究所"となった
2007年に戻されたのだという。

2003年にはじまった
函館国際水産・海洋都市構想
研究所はそのシンボルとして…

階段

腰壁の石、車止めなどは
古い建物のものを再利用…

外壁も小さな石を練り込んだ
モルタルの表面を水で洗い流す
"洗い出し"仕上げで、
ざらざらした石造りのような質感に。

モース滞在記には"函館船改所"という、
スケッチが残っています。
大森貝塚で日本人では有名なモース
北海道採集旅行で函館に滞在、
函館船改所の2部屋を"臨海実験所"
として使用されたそうです。

2ヶ月で採取した標本類は、
モースが東京に帰ってから
一種づつ開拓使函館支所仮博物場
現在の旧函館博物館一号に寄贈。



モースの略歴などのパネルがありました。



大正の後半に入って建てられた建物、
函館毎日新聞の記事には、
有志の寄付5万円で、
日本国内で模範とされる
「小樽水上署の庁舎に、
 更に一段の改善を
 加えたものにしたい…」
とあり、
ライバル都市小樽への対抗心を
伺える一幕の舞台でもありました。

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