はるばる来たぜHAKODATE vol.9 函館市北方民族資料館


函館の行政・経済の主要地域だった、
西部地区の基坂角地に立つ
ガッシリした角ビル
は、
かつては日本銀行函館支店の3代目
1926年(大正15)の建設。
1954年(昭和29)の一部増改築を経て、
築90年以上を誇る建物なのです。

辰野金吾とその愛弟子にあたる
長野宇平次らの設計による2代目
古典様式を取り入れたデザインの
三代目は日本銀行技師であった
平松浅一により設計されたという。

1989年に函館市北方民族資料・
石川啄木資料館
として開館し、
その後石川啄木資料館が新たに
"函館市文学館"がオープンされたのを期に、
1993年より"函館市北方民族資料館"に。

外壁面や窓枠などが老朽化のため
一新されたこともあって、
当初の面影を残す部分は少ない(T_T)
このタイルは数少ないオリジナルかも…

北方民族コレクションは国内屈指で、
時間が足りないくらいの充実ぶり。

蕗の下のコロボックルたちが迎えます。
彼らは姿をみせることが大嫌い、
声を聞くことはあっても
姿を見た者はいないとか。
伝説に登場するコロボックルとは、
地下にいる人-穴居人」とも言われ、
人類学史上の先住民と考えられていて、
アイヌ民族とそれを取り巻く
北辺の異民族との文化交流の背景
で、
誕生した伝説上の主人公と
考えられているのです。

《ルウンペ》
道行くように文様をおいた着物

《シネ シリキ》
ウポポ アンフチが
孫たちに伝承した着物

《カパラミプ》

《ルウンペ》
樺太地方の晴着

樺太アイヌの帽子《イカムハハカ》

手甲(てっこう)《テクンペ》

北海道アイヌの刀掛帯《エムシアッ》

トナカイ皮で作られた冬用長靴

ウイルタ民族のトナカイ皮の財布
《グマーリニッカ》











土産物だったようですが、
アリュートの狩猟の様子が描かれた
セイウチの牙です。

ちょっと絵巻物のようでもあります。


アリュート族は、
アラスカとカムチャツカの間にある
アリューシャン列島の先住民族

こちらにも勇姿が描かれています。

横山華山の筆になる《蝦夷魚艇》
華山は江戸後期の絵師ですが、
蝦夷地を訪れたことはなかった…
他の絵師のアイヌ絵に刺激を受けた。

《アイヌ夫妻之図》
手に魚を引っかけて捕る"マレク"を
持つ男性と子供を背負う女性。
秋田出身の函館滞在歴の
平福穂庵の作品に同じような
構図を残しています
市立函館博物館の旧蔵で、
能登川隆のコレクションの一つ。

《蝦夷島奇観》
村上島之允(秦檍麿) 制作のアイヌ風俗画
ウカルと呼ばれる紛争解決の様子、
償いのための財産を提供するか、
提供する財産がない場合は
ストゥと呼ばれる棍棒
互いに打ち合うことで
解決を図っていたとか…


たくさんのコレクション…
何か理由があるのかもしれませんね。

1877年来道以来64年間、
アイヌ民族にキリスト教の布教、
経済的救済や医療活動も従事した
ジョン・バチェラー像
アイヌ民族研究にも携わり、
多くの業績により
"アイヌの父"と敬愛された人。

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