はるばる来たぜHAKODATE vol.4 新島襄の函館


新島襄は北海道が好きだった…
"自由への入り口"

そこまで魅かれたのはなぜか ?
同志社大学 神学部の本井康博 教授が、
「新島襄と函館」のなかでこんな括りを
されているのを見つけました。

同志社大学の"函館キャンプ"というのが
今でも行われていて、
在学中に友人に誘われたけど不参加。

こちら2022年12月の集合写真 大学HPより
…憂国の思いを抱いた新島襄は、
1864年6月14日、
幕府の禁を犯して北海道・函館より
脱国しました。その時、新島21歳。
「創立者新島の生き方を学び、
 同志社を見つめ、
 人と人との出会いや触れ合いの中、
 自分自身を振り返ろう」
と。

函館港のウォターフロントには、
新島襄ゆかりの案内があり、
迷うことがありません。

碑石には「新島襄海外渡航乗船之処」、
渡航とあるが密出国にほかならない。
同志社香里中学生1年生の"聖書"の授業、
1学期は新島襄の伝記をたどるもの、
"国禁を犯してまでも" という先生の
コトバは同級生なら覚えているハズ

碑文は渡米の途上、
香港で作詞した漢詩
「男児決志馳千里
 自嘗苦辛豈思家
 却笑春風吹雨夜
 枕頭尚夢故園花」
とある。
大志を抱き遥か遠くの地へ向かっている。
自ら選んだ辛苦である。
家族のことなどは思っていられない。
しかし、風が吹き、
雨が降る夜には、故郷を夢にみる。

安中藩士の子として1843年(天保14)、
江戸・神田に生まれた新島襄。
祐筆の家だったというのだから、
そんな家の子が大それたことを。
開国がなければ家は取り潰しだったやも。
碑が建てられたのは1954年8月、
同志社と函館市が10万円づつ
分担したとか…。

「ひとつには、青年時代に、
 窒息状態の藩邸生活や、
 不自由な封建体制を嫌って、
 自由を求めて函館から…」

本井先生はこう解される。

函館出国の手引きをしてくれた
日本人は3人いたという。
菅沼精一郎、沢辺琢磨福士卯之吉
福士は中でも、沖停泊のベルリン号まで、
小舟で運んでくれた人物。
記念碑の背後の海には1980年に
緑の島が埋立造成されたのですが、
橋の名前 "新島橋" は新島襄に因んだとも。

ひどく慎重であった福士卯之吉は、
わざわざ小舟を借りて、
3日間もリハーサルをしたとも。

新島襄のブロンズ像は、
函館ウォーター・フロント計画によって
函館市が2002年設置されたもので、
全身像はワシントン大聖堂のみ。

実は1930年代に記念碑の
建設計画があったそうです。
函館千歳教会片山幽吉牧師は、
熱烈な同志社愛に富む熱血漢。
小舟に乗って密出国した
現場を突き止めてそこに記念碑を!
ただ倉庫がすでにあって断念。
片山幽吉牧師は現地建設を断念…
教会前庭に銅像とともに建てたい、
そんな夢を抱いていたようです。

新島襄は帰国後、
日本組合基督教会を設立しますが、
その函館教会となるのが千歳教会。
中国で断髪した新島襄、
遺髪として千歳教会に遺されています。
新島の教え子の堀貞一牧師が、
八重未亡人から分けてもらったもので、
堀が教会に寄贈したという所以。

コーヒー・ハウスだったらしき建物、
"JOE" との店名は、
渡米ワイルド・ローヴァー号船長から、
今日からお前をJOEと呼ぶ」、
本名 新島七五三太という名は、
出生のときに男児出生に「しめた」
喜んだのという話も"聖書"の時間に、
聞き覚えのある香里あるある。
元服後の諱 "敬幹(けいかん)"に戻らなかった、
別人格となっていたからだと言われる。

同志社大学 有終館前
8月に掲げられていた新島の言葉、
「教育のごときは基督教と
 分離すべからざるものにして
 文明の車の両輪なり」

ではなぜロシア正教会でなく、
プロテスタント教会の流れをくむ
「組合教会」だったのか?

新島は約40日間、
ハリストス教会ての司祭館に住み、
ニコライの家庭教師をしな がら、
ロシア人から英語を学んだとか…
私師匠ニコライ私に勧め、
 男児苟(いやし)くも
 四方(よも)の志をなせば、

 須(すべか)らく其身を寫し、
 家郷へ遺すべしと、呉々も申聞け、
 無代に寫眞致し呉れ候間、
 即ち捧呈仕り候。
 何卒此寫眞を御眺め下され」

ロシアでなくアメリカだった理由
いろいろ調べてみましたが、
いまのところ分かりませんでした。
新島の密出国を助けた沢辺琢磨は、
新島がニコライ神父の許を去って
神官でしたがハリストス正教に入信
日本人初の同教司祭にもなる。

アーモスト大学で、
級友にせがまれて紛争姿の写真、
43年前の聖書授業の記憶よみがえり、
そして33年ぶり"函館キャンプ"


新島襄の函館…まだまだ
巡るとことはありそうなので、
また改めて上陸したいと思います。

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