はじめての「初辰まいり」
毎日乗ってる
阪堺電車の電停に
月末になると貼られる
「初辰まいり」のポスター
みのりある三社参りって?
ちょっと早めの夏休みで
ぶらりと体験してきました。
住吉大社の境内を入ると。。。
年季の入った石灯籠が
あちこちに立っています。
「魚問屋 魚仲買」とか
「干鰯仲間」とか・・・
それぞれの商いのグループで
住吉講を組んで奉納したもので、
信仰の表れとともに広告の役割も
兼ねていたものなのだそうです。
まずは手水舎で口と手を清める。
兎は住吉大社のお使いなんだそうで、
住吉大社御鎮座の
神功皇后がお祭りされた日が
「卯の日」であったことに
ちなんでいるといいます。
そして住吉大社といえば 太鼓橋。
正式には反橋(そりはし)といい、
秀吉の側室の淀殿が奉納したもので、
石造りの部分は当時のままを伝えています。
今では誰でも渡れる反橋ですが、
明治時代までは神様に限られていたようです。
真ん中は今でも神様が通る場所、
ということで避けて通って渡りました。
渡るだけでお祓いを
受けたことになると言われます。
住吉大社の四本宮の入口である
角鳥居をくぐる。
脚が四角柱の鳥居には伊万里焼の扁額。
神功皇后が、新羅出兵の際に力をいただいた
住吉大神のお告げで、
西暦211年の卯の年卯の月卯の日に
大神を祀る場所をこの地に定めたことが
起源だといわれていて、
今年が鎮座1800年にあたるそうです。
奥から、第一、二、三と並んでいて、
第三本宮の南側に第四本宮があり、
みな海に向かって西に向っていて、
遣隋使、遣唐使を見送った
海の神様であることを今に伝えています。
右手の第四本宮には
神功皇后が祀られているので、
屋根にある交差している木(=千木)、
女性神ですので水平に削がれています。
本宮の北側を奥に進むと、
左手に「御文庫(おぶんこ)」が建つ。
大阪最古の図書館で出版元が共同で
享保年間(1716~1736)に建てたもの。
一番刷りの原本が納められているそうです。
こちらは神宮遥拝所で、
小さな鳥居の下に神明穴があって、
東にある伊勢神宮を遥拝するところです。
そしていよいよ「初辰まいり」へ
物事の元を司る種貸社で「稲種」を
戴き願いをこめます。
次に物事の発達を司る楠珺社に詣で
「稲穂」と換え、
次に願いの収穫を司る大歳社で
「神米」を戴いて下さい。
とあるので、
まずは「種貸社」(たねかししゃ)へ
あらかじめいろいろと調べていたのだが、
どうも勝手がわからない。
テントのなかにおられる宮司さんに聞くと、
「種貸社」にいる巫女さんから
まず「稲種」を授かってくださいと・・・
この稲種は、
商売繁盛の元とも願い事の元とも言われ、
資本に加えて商売すれば増殖繁栄。
稲種が多くの稲を実らせることから、
幸せを増やすという
意味も含まれているとか。
そして樹齢千年を超える楠の大樹がある
「楠珺社」(なんくんしゃ)へ
江戸時代の頃から人々が
楠の神秘的な霊力に祈りを捧げていたのを、
根元に設けられていた社に
お稲荷さんを祭るようになったのだとか。
ここで収穫!!!
「稲穂」にかえていただきました。
実はこの「初辰まいり」って、
神社が言いだした信仰ではないのだそうです。
初の辰の日にお参りに来たら
ご利益があったという
新町に住む人の口伝えから広がって、
参拝のたびに露店で縁起物として売っていた
土人形の招き猫を買って並べたところ、
商売繁昌したというのがルーツなんだそうです。
ここからは境内外地に出て・・・
「浅沢社」(あさざわしゃ)へ
ここは弁天さんともいわれる女神、
芸能上達・美容の神として
親しまれているそうですが、
「腕を上げる」という御利益で、
商売繁盛にも繋がると言われています。
そして稲の収穫の守護神の
「大歳社」(おおとししゃ)に。
稲の収穫の守護神で、大阪商人の間では、
特に集金の守護神として信仰されてきたそうです。
ここで「稲穂」から「御田米」に。
一粒がこんなたくさんの白米に、
「一粒万倍日」にいただくことによって
ご利益があるといわれています。
「一粒万倍日」を調べてみると・・・
新しいことをスタートするのに
良い日とされていて、
今月だと7日 (日)、13日 (土)、25日 (木)。
「大歳社」では巫女さんと宮司さんから、
かき氷をいただきました。
ちなみに住吉大社の巫女の飾りは、
松に太陽、白鷺があしらわれたもの。
蒸し暑かったのでまさに至福です!!
大歳社の隣にある「おいとしぼし 社」には、
「おもかる石」ってのがあります。
最初に持ち上げて重さを確認後、
置いて祈願を念じる。
次に持ち上げた時、軽く感じたら、
願いが叶うといいます。
知っていたけど重く感じてしまった・・・
また改めてお参りしたいと思います。
もう一つの住吉さんのパワースポットが、
「五所御前(ごしょごぜん)」。
大きな文字で「五大力石守」とあり、
「パワースポット」との赤字が目に入る。
住吉の神様が、
1800年前に最初に降りてきた場所。
この杉の木に白鷺が3羽止まったので、
神功皇后 が住吉大神を
お祀りしたと伝わっている聖地です。
このあたりで突然の豪雨に
見舞われたのですが、
なんとか探り当てました!!
杉の木が立っている玉垣の砂利の中から、
「五・大・力」とかかれた小石をさぐる。
ちなみに五大力とは、
「体力、財力、福力、智力、寿力」
を意味していているそうです。
生きて行くためにどれも必要なもの・・・
楠珺社で授与される小さな招き猫。
右手をあげているのはお金を呼ぶとか、
ちなみに奇数月だと左手ので「家内安全」。
毎月1つ求め、48体集まると、
中くらいの大きさの猫と交換してくれる。
ここに写ってる大きな猫は、
さらに中猫2体と48体の小猫と交換。
左右の大きな猫が揃うには、
なんと24年もかかるとか。
4年を一区切りとして、
48回参拝すれば「満願成就」
四十八辰、つまり始終発達に・・・
ちなみに、
一月でも初辰まいりをさぼると
また一番最初から始めない??
といけないとか。
大願を成就させるには
大変な苦労がいるということですね。
「初辰まいり」のおみやげ・・・・
もうひとつは明治元年創業の
御菓子司 末廣堂さんの「さつま焼き」。
元禄年間(1688~1704)の頃、
住吉大社界隈でつくられ、
露店で蒸して売られていたという
さつまいもを模してかたどったもの。
境内の茶店でもいただきました。