京都モダン建築祭2022 京都御幸町教会


「この京都御幸町教会
 1913年に建築したのは、
 伝道者で建築家の
 ウィリアム・ヴォーリズ
 彼が関西学院大の
 キャンパスデザインから
 教会建築へ転換する時期の建物
だ。
 教会は今年、
 メソジスト派の伝道から107年。」
2006年京都新聞ではこのように…

百年史編集委員長でもある
関西学院大の大島襄二名誉教授は、
「彼は京都市内で教会を
 随分設計したのですが、
 もとの姿が残っているのは
 ここだけ。
 揚げ戸は実験的で
 他にはありません
」と…

(京都御幸町教会絵はがきより)

米国から赤煉瓦が運ばれ
入り口の上の窓は
京都らしさを意識して
格子戸にした
ようです。

キリスト教を排撃する
人々を刺激しないよう
十字架の表現を控え

入り口の扉周りの
白い石を結ぶと…
十字架が浮かび上がるとか。

(京都御幸町教会絵はがきより)

少しセットバックさせて、
敷地に余裕を持たせているのも、
同じ理由からかも知れませんね。

ゴシック様式を基調に、
尖頭形の窓や側面に
バットレスが配されます。
バットレスとは"控壁" のこと、
外壁面と直角に外方に突出し、
壁体を支持する壁。
古代のメソポタミア、
ギリシア神殿にルーツを持つ

ゴシック聖堂建築では、
フライング・バットレスが開発、
要素のひとつともなっています。

屋根はスレート貼りで、
交換した一部分が
展示されていました。

聖路加国際病院理事長
日野原重明さんは、
三高から京都帝国大へ進学…
「僕が指揮を好きになったのは、
 聖歌隊で大きな曲の
 勉強ができたからです。
 クリスマスやイースターのときは
 非常に盛んだった」
 と思い起こす。」
日曜学校や聖歌隊の指揮
この教会で活躍されたそうです。

オルガン脇ボードの数字は、
今日の賛美歌の番号とか…

1997年4月、
京都市有形指定文化財への
登録もきっかけとなって、
耐震工事が翌1998年10月に、
施工完了されているのです。

内部は天井を張らない
キングポストトラス
という構造となっています。

キングポストトラスは、
中央に真束と呼ばれる
支柱を立てている形式で、
"真束組"とも呼びます。

聖台にむかって右手に集会スペース

扉全体が上げ下げできる構造とか…
ボランティアスタッフさんが
説明してくれました。

京都御幸町教会の歴史は、
1898年(明治31)まで遡ります。
アメリカ南部メソヂスト教会
神戸地区・京都講義所として、
ジェイ・T・マイヤース宣教師と、
関西学院大学神学部出身の
伝道師 高橋由吉らにより創立、

(京都御幸町教会絵はがきより)

1907年(明治40)に
"日本メソヂスト京都中央教会"、
戦時下に日本キリスト教団加入
1943年(昭和18)に
"日本基督教団 京都御幸町教会"に、
今に至っています。


★ 京都モダン建築祭 公開データ ★
京都御幸町教会
公開日時 : 11月11日(金)-11月13日(日)
公開エリア: 礼拝堂内、左側通路
竣工年  : 1913年(大正2)
構造・規模: 煉瓦造・地上1階(一部中2階)
設計   : ヴォーリズ設計事務所
施工   :不詳
所在地  :京都市中京区御幸町通二条下る
       山本町434
【京都市指定有形文化財】

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