1970EXPOユニコレ㉑ 古河パビリオンと東大寺


塔をバックに写るホステスの姿…
奈良時代にあった東大寺東塔
EXPO70に再現されたのが、
古河パビリオンでした。

東大寺大仏殿内にある
天平時代の伽藍模型には、
その東塔が配置されています。
高さ100mとも70mとも...
西塔ならび2つの七重塔が
平城京には存在していたのです。
両塔とも平安時代の南都焼討で焼失、
東塔は鎌倉時代の貞応2年(1223)に
再建されたものの、
南北朝期の雷火で再び焼失した。
それ以降は再建に着手されたが、
完成をみませんでした。

塔部分は原形を忠実に再現した鉄骨造、
建設に10 年は必要といわれたが、
約 1 年間で完成にこぎつけた
のです。

各層の屋根を 4 分の 1ずつ、
鉄骨に取り付けたレールで
リフトアップして、
上層部から順に組み立てる

という初めての工法。
解体が宿命の博覧会パビリオン、
逆にこの工法を使ったので
スピード解体が実現しました。

1969年に日本建築設備協会
発行の「建設の機械化」の表紙、
塔の最頂部の相輪を最後に
釣り上げらるトラッククレーン
奥に見えるのがソ連館ですが、
開催前年の8月には東塔が
聳え立ったのです、

展示スペールは七重の塔の基壇に…
未来像を反映した"コンピュートピア"、
パンフレットには、
「コンピューターによって
 実現される便利で楽しい世界
」とか。
"コンピューターの芸当"が披露、
観客の声に応じて
ロボットハンドが自在に動き、
ボールをつかみあげたり落としたり。

こちらは碁とコンピューター、
人間とコンピューターが対局、
棋力のコンピューター判定ができた。

現金、印鑑の代わりに声紋で
買物や旅行ができる
キャッシュレス時代を紹介した、
"キャッシュレス・ショッピング"、
こちらも実用化されていますね。

テレビ電話コーナーでは、
場内案内や天気予報など…

ホステスのユニフォームは、
50数点の候補作から
西武百貨店 藤木エミさんの作品
くじゃく」が選ばれました。

コンピューター・ミュージカル・
ホールでのホステスたち。
クラシック、ポピュラーから
ゴーゴー、スイングまで
レパートリーが多彩だったそうです。

紫地に金糸の孔雀の刺繍の上着、
パンタロンスタイル、
合服の孔雀の羽の刺繍は
かなりのインパクトがありますね。

夏服は白地の服にミニスカート、
展示風景にはこちらの姿が
多く見られます。

古河パビリオン東塔のその後…
大仏殿を正面に右手にみえる
金色に輝く相輪に気づく人は、
ほとんどありません。

大仏殿出口から手向山八幡宮への
鳥居に向かう左手にたつ相輪。

"万国博古川館 東大寺七重塔 相輪"

パビリオン来場者935万人のうち
180万人が七重塔に登塔…
万博終了後にこの地に移設。
露盤内部に大仏殿の祈願の際に
願いや決意を込め札”寶牘"

それとともにパビリオン資料も
奉納されているとか。

10年に1回ほどお化粧直しがされ、
東大寺ではお堂の1つという
扱い
をしているそうです。

手前はビルマ館


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