清水寺をあるくvol.4 地主神社


清水寺の本堂の北側にある
地主神社は、縁結びの神
として知られていますが…
もともとは清水寺の鎮守社

社殿は1633年(寛永10年)に
再建されたものでして、
明治の神仏分離によって
清水寺から独立しています。

「縁」と大きく書かれた文字、
境内にはあらゆる場所に
祈りの場が設けられていて、
恋愛祈願のパビリオン
様相を呈しています。

大国主命を主祭神として、
父母神の素戔嗚命、奇稲田姫命、
さらに奇稲田姫命の父母神、
足摩乳命、手摩乳命を
正殿に祭祀されていますが…
大国主命の神使は (ねずみ)ですが、
因幡で助けられた縁により、
御幣をかかげる白兎

お守りのバリエーションも豊富。

「祓戸大神」
ここで祓串(はらいぐし)にて、
心身を清めます。
瀬織津姫命(せおりつひめ)は、
天照大神の荒魂ともされる神。
清水寺の水流神ともされ、
もろもろの禍事・罪・穢れを
川から海へ流す神。
速開都姫命(はやあきつひめ)、
海の底で待ち構えていて
禍事・罪・穢れを飲み込む。
伊吹戸主命(いぶきどぬしのみこと)、
速開都姫命が飲み込んだのを確認、
根の国・底の国に息吹を放つ。
速佐須良姫命(はやさすらひめ)、
根の国・底の国に持ち込まれた
穢れをさすらって失う…
それぞに役目があるのです。
撫で大国さん」の呼び名で
親しまれてきました大国主命。
人形(ひとがた)を "なでもの"といい、
人形をなでて川や海などに流すことで
わが身のけがれを祓うとされ、
大国さんの撫でる場所で、
病気回復を願うことに繋がります。
ちなみに "" は出世・土地守護・
家内安全・夫婦円満を願うとか。

境内に二つ置かれた "恋占いの石"、
科学的調査で縄文時代のものと判明。
石の配置はほぼ東西のラインで、
環状列石の一部とも、
斎場の目印であったかも知れません。

良縁がいただけるという銅鑼
さまざまな祈りの場が所狭しと。
第二次世界大戦後、
神道が国からの保護から外れ、
仏像など目に見える信仰の
対象がない神道。
参拝者も増えた清水寺に対して、
地主神社は荒廃
社殿は御扉を閉めても
どこからか日が射すほど荒廃。

ただ…1966年に本殿と拝殿、
総門が国の重要文化財に指定。
その後 パワースポットとして、
注目を浴びるようになり、
復活していったのです。

"おかげ明神"
ご神木「いのり杉」は、
江戸時代に女性の間で流行した
丑の刻参り」の場でもあります。

地主神社のHPにこんなコトバ、
「ときに人は、妬んだり、
 恨んだりするよこしまな
 心が出てくる場合がある。
 失った愛を取り戻すため、
 五寸釘を打ち込んで
 縁が切れるよう祈ったり…
 しかし、気付かないうちに、
 心の底ではいつも
 神に助けを求めている。
 拭い清めて、
 良縁へと導いてくれる
」と。

清水寺は「平成の大修理」のあと、
地主神社でも大規模な修復が
計画されておられるとか…
「桓武天皇の御陵」
可能性があるとされたが、
日中戦争で中止になったとも。
新たな大発見があるかも知れません。

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