消えゆく大大阪 宇治電ビル
戦前の五大電力会社の一角を占めた
宇治川電気の本社ビル。
「宇治電ビル」が解体されると
朝日新聞の文化欄で知り、
女神にしばしのお別れをしてきた。
宇治川電気は宇治川で水力発電を担った電力会社。
戦時中に関西配電(後の関西電力)に統合され、
ビルは関西配電や関西電力の本社に利用された後、
賃貸ビルとして使われてきたとのこと。
住友財閥の建築部門出身の長谷部鋭吉さんの設計。
土佐堀にある「住友ビルディング」や、
淀屋橋の「日本生命本館」なども彼の作品。
新御堂の梅新出入り口になって全景は、
なかなか収めにくいのだが...
女神は通りに面して対になって壁を飾っている。
ビルの入口の看板も
なかなか味わいがあります。
溝を彫った上に厚く釉薬をかけてある
乳白色の陶器タイルに、
換気口の金具のジグザグさ、
センスのよさが見え隠れしています。
裏手にまわるとしっかりしたツクりの外階段。
最近まで地下には居酒屋が営業していたようです。
明かり取りの設えもあちこちに見られます。
雲と雷と水 そして電球と変圧器を手に持つ女神。
このレリーフは新ビルにも取り付けられる予定です。